鴫

鴫誌(令和2年8月号)より

代表近詠 当月集より 寒麦集より 羽音抄

橋道子 選

潮焼の漢唾して縄を綯ふ
平野みち代
玉苗の風の水輪にすぐ馴れる
佐々木秀子
夏の陽へ裏返されて赤子這ふ
加藤峰子
コロナ禍の今しんしんと柿若葉
箕輪カオル
鬱憤の山にもありて杉花粉
三木千代
刈り了へし羊園児にいたはられ
五十嵐紀子
薔薇の香に塗れてとんと出掛けない
山口ひろよ
沼の洲やおごめきて軽鳬の子目醒む
鎌田光恵
夏浅し腕捲りして何をする
宮ア根
無観客試合のやうな花吹雪
石田きよし
振りかぶる斧のリズムに散る桜
宇都宮敦子
夏来るかつかつ削る鰹節
甕 秀麿
しろつめ草いつぱい咲いてゐる孤独
佐藤晶子
誰も知らぬ巨石の歴史片かげり
川瀬 康
料峭や吸ひ込み荒きATM
重廣ゆきこ
母の日のコロナで終る子の電話
小宮智美
用水の音つつましく植田かな
中村久一
いただきまする厚切りの初がつを
鈴木征四
薫風や待てばテラスのドリップ珈琲
佐藤宏樹
噴水に前後左右のなかりけり
太田英子



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