鴫

鴫誌(令和元年11月号)より

代表近詠 当月集より 寒麦集より 羽音抄

橋道子 選

原爆忌何時までも猶いつもなほ
五十嵐紀子
墓洗ふ被爆語らず逝きし父
平野みち代
出穂の香の底に一村千枚田
甕 秀麿
炎昼の連結音は地を這ひぬ
山内洋光
澄む水の空の流れてゐるやうな
成田美代
踊手の静かに進む片通り
田令子
憲法は日本の素顔敗戦忌
足立良雄
はたた神監視カメラは伏し目がち
荒木 甫
剝れゆく雲を間近にお花畑
箕輪カオル
かなかなや古希とは人に頼らるる
加藤峰子
耳よりな話あるかに軒風鈴
相良牧人
尺蠖であること嫌で身を棙る
山本久江
秋揚羽譜面離れし音符めく
石田きよし
くちなはの好む薄闇吾も持つ
みたにきみ
尻上がるふる里なまりばつたんこ
中山皓雪
地下鉄にトラウマ残り終戦日
三木千代
秋暑し洗ひざらしの風の中
鈴木征四
虫干や粗忽を記す通信簿
西村とうじ
遠き日の父母の真中に遠花火
斎藤房枝
不規則に玉葱刻む代打夫
近澤清美



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