鴫

鴫誌(令和2年1月号)より

代表近詠 当月集より 寒麦集より 羽音抄

橋道子 選

種採りて命乾かす事よりす
三木千代
秋寂ぶの音せぬやうに置く受話器
山口ひろよ
一灯のランタンを買ひ菊を買ふ
加藤峰子
星流る己の在るを否定して
甕 秀麿
長き夜の機に掛りし上田縞
宇都宮敦子
落日の地球の悪寒秋の蛇
荒木 甫
水切のやうな跳躍鴨渡る
箕輪カオル
くはしくは知らぬ留年こむらさき
遠山みち子
空覆ひ空を傾け椋鳥の群
成田美代
母語る菊の被綿欲しけり
宮ア根
身に入むや文字の大きな辞書の鬱
足立良雄
秋出水まづ米櫃を高きへと
齊藤哲子
倒木の猿の腰掛さらぼへる
安井和恵
人柄を映す写真家秋薔薇
松林依子
宵闇や隣家にそつと寝台車
江波戸ねね
日矢の中また一閃す白鶺鴒
原田達夫
秋の蝶目玉模様の羽根休め
坂場章子
えのき茸干せば陽の香の糸屑に
奥井あき
夜業の灯仮の庁舎に煌めけり
西村とうじ
さりげなく若き女将の赤い羽根
加藤廣子



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