mm 鴫誌より(羽音抄)
鴫

鴫誌(令和8年8月号)より

代表近詠 名誉代表近詠 当月集より 寒麦集より 羽音抄

加藤峰子 選

海棠の散りて分厚き花の嵩
宇都宮敦子
鉄塔に紅白の縞田水張る
清瀬朱磨
穴出づる熊にも開く自動ドア
安井和恵
男干すパジャマくしやくしや春深し
尾川美保子
きちと結ふ母の粽の三角とがる
奥井あき
思春期は会釈でよろし麦の秋
秋元政子
茅花野やカルピス色の風生れて
平野みち代
差し潮の潮目に群るる春鷗
和田紀夫
庖丁の手ごろな重さ胡瓜切る
島田喜郎
品書きの筆の字跳ぬる初鰹
西村とうじ
巣構へや人も使ひし泥と藁
土門なの子
洗ひ張りの姉さん被り昭和の日
木澤惠司
望郷の結び目解く笹粽く
山本久江
杉玉の色を変へつつ夏に入る
中島すず
逝くための助走のやうに春を寝ぬ
篠原ひで子



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