鴫

鴫誌(令和元年12月号)より

代表近詠 当月集より 寒麦集より 羽音抄

橋道子 選

苦瓜のだいだい色の叫びかな
石田きよし
木洩れ日のやう妻を染む今日の月
原田達夫
晩夏光猫の骨壺湯呑ほど
田部井幸枝
知恵の無き三人寄りて酌む新酒
和田紀夫
勾玉のかたちに曲る名残茄子
江澤弘子
秋の空飛び出す妻はデパ地下へ
濱上こういち
種茄子の横座りめく肥りやう
山内洋光
拍手のこだま遠流の島の秋
来海雅子
海づたひ青烏瓜ふくらめり
鎌田光恵
いわし雲いつしか人は中空へ
藤沢秀永
引く波に砂のつぶやき秋夕焼
佐藤晶子
かづら橋渡りて祖谷のましら酒
木澤惠司
下戸二人顔を見合はす月見酒
中下澄江
こほろぎや黙りこくつて二人飯
中島芳郎
蔦紅葉火の見櫓を這ひ上がり
塙 貞子
鰯雲吾の直球に夫変化球
加藤東風
ダイビング刃のごとく着水す
今井忠夫
色鳥の恵とゞくべし被災地へ
川瀬 康
猛暑なかそつぽむく子に送金す
中村明子
友逝くや逝かぬが寄りて温め酒
近澤 宏



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