鴫

鴫のあゆみ
田中午次郎のプロフィール 伊藤白潮のプロフィール 井上信子のプロフィール
橋道子のプロフィール 加藤峰子のプロフィール

鴫通巻9号の表紙
「鴫」通巻9号

鴫通巻500号の表紙
「鴫」通巻500号

新葉創刊号の表紙
「新葉」創刊号

鴫通巻98号の表紙
「鴫」通巻98号
(復刊号)

鴫通巻600号の表紙
「鴫」通巻600号
昭和22年、「新葉」が田中午次郎によって創刊された。

昭和23年、「新葉」から「鴫」に改められた。

昭和36年、「鴫」通巻97号が発行され、この号をもって休刊となった。

昭和50年6月、「鴫」が復刊され、伊藤白潮が主宰となった。

平成20年8月、伊藤白潮の逝去により、井上信子が「鴫」代表となった。

平成20年12月、「鴫」通巻500号記念号が発行された。

平成23年1月、橋道子が「鴫」選者に就任した。

平成28年12月、井上信子が「鴫」代表を辞任した。

平成29年4月、「鴫」通巻600号記念号が発行された。

平成29年11月、橋道子が「鴫」代表に就任した。

令和3年2月、加藤峰子が「鴫」選者に就任した。

令和3年11月、加藤峰子前選者が「鴫」代表に就任し、橋道子前代表が名誉代表に就任した。


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田中午次郎のプロフィール
午次郎の写真
田中午次郎


羅漢
「羅漢」

明治40年11月18日、東京都板橋区成増町に生る。
昭和9年頃より、「馬酔木」(主宰:水原秋櫻子)に参加、同人。
昭和12年、「鶴」(主宰:石田波郷)創刊に参加、同人。「馬酔木賞」受賞。
昭和22年、「新葉」創刊、主宰。
昭和23年、「新葉」を「鴫」と改題。
昭和48年2月26日、逝去。

現代俳句協会員
千葉県俳句作家協会初代会長

 【句集】
 『さいねりや』『羅漢』『大道』

 【句碑】
 秋刀魚焼く羅漢のごとき吾が貌見よ(船橋市・勝間田公園)
 【20句抄】
 冬薔薇のいみじき白が日に匂ふ
 廊下よりはだしで降りる豆の花
 十六夜の真蒼な貨車来たりけり
 前歩く子の脚ながき花野かな
 あるきつゝ煙草火もらふ暮雪かな
 蝌蚪見るや不精の鬚のかくも伸び
 海苔買ふや年内二十日あますのみ
 我が影の今細長く落葉降る
 鼻浸けて牛が水飲む芒青し
 子の留守の妻は我がもの鶏頭もゆ

 米なくて家をぬけ出す銀河かな
 眩しくて枯野の蝶の落ちきたり
 穀象が居ても米みそ無き正午
 坂のぼる酔ひほのぼのと桃月夜
 秋茄子にかがみて未練ある如し
 霜のわが大き足跡風に鳴る
 牛乳を飲む間も休みなく花咲けり
 蕗を煮て四月一日嘘もなし
 北よりの雨またしても枯野かな
 寒もまた黴生きいきと鏡餅

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伊藤白潮のプロフィール
白潮の写真
伊藤白潮


卍
「卍」

大正15年3月29日、千葉県横芝町(現 横芝光町)に生る。
昭和23年より、田中午次郎に師事。
昭和25年、「鴫」同人。
昭和29年、第一回「鴫賞」受賞。
昭和50年、「鴫」復刊、主宰。
平成20年8月12日、逝去。

俳人協会評議員、日本文芸家協会会員、日本ペンクラブ会員
市川市俳句協会会長、俳人協会千葉県支部顧問、千葉県俳句作家協会顧問

 【句集・著書】
 『在家』『夢幻能』『游』『生きめやも』『ちろりに過ぐる』『卍』『現代俳句文庫伊藤白潮集』『自註伊藤白潮集』『季の扉』

 【句碑】
 みの虫の游びをせんとや蓑を出で(船橋市・天沼弁天池公園)
 稲架の続きに母あり響く海もあり(横芝光町・屋形海岸)
 来歴のやうに一本冬の川(市川市・里見公園)
 【20句抄】
 外套をずん胴に着て才うすし
 妻子等と睦めば炭の減ることよ
 掻き棒も燃やしてしまふ春焚火
 凍てそめて瀧の晩節たてとほす
 美しき吐息ぐもりの青葡萄
 夕顔のかつがつひらく夢幻能
 駅伝の次の走者は野火の先
 糸遊を抜けねばあだし野へ行けず
 べろ出して秋風の渋かりしこと
 お変りもなくてといはれ枯れの中

 ぜんぜん面白くない焚火を去る
 蟻地獄唯我の砂を飛ばしけり
 寒の水飲んで腹鳴る生きめやも
 この国のかたちに曲がる唐辛子
 北風強く歩めばわれも修道士
 春の蚊やほんものの遺書見せらるる
 水餅の餅の減らずに水の減る
 左右より夏霧そして卍かな
 吹雪かれに行く顔振れの決まりけり
 朗々と忌明けの亀を鳴かせたし

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井上信子のプロフィール
信子の写真
井上信子

力紅
「力紅」
大正15年、東京都八王子市に生る。
昭和45年、PTA俳句部(指導:伊藤白潮)を経て、「じゅんさい句会」へ入門。
昭和50年、「鴫」復刊と同時に参加。
昭和55年、第八回「鴫賞」受賞。
平成20年、「鴫」代表。
平成28年、「鴫」代表を辞任。
令和2年12月7日、逝去。

千葉県俳句作家協会参与
市川市俳句協会顧問

 【句集】
 『力紅』
 合同句集『蓴菜』T、U

 【20句抄】
 風のはくれんしどろもどろに老い初めぬ
 芽柳や発つ日の男優しかり
 白息や消すための一行詩なる
 つつましき望念立てり罐焚火
 雁供養折りしろ浅く肌着縫ふ
 玉葱をかんかんと置く初猟期
 十薬の茎の岐れの力紅
 鐘聴きにいつか行く日の冬帽子
 銀漢やたもとの丸み病衣にも
 夏料理切先ひるんではならぬ

 芦刈のたとへば去りし後の空
 細身にて満開といふ夜の桜
 その後の更に知らざり蠅叩
 かき分けて引く先生の烏瓜
 ひとりとはこんな音にて蜆汁
 旅をせぬ春の帽子のリボンかな
 冴返る澄まず汚れず神田川
 寄せ墓に白露の日差しありにけり
 腹巻や晩年をよくきき分けよ
 さへづりのか細き朝や歩かねば

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橋道子のプロフィール
道子の写真
橋道子

こなひだ
「こなひだ」
昭和18年、千葉市に生る。
昭和57年、「鴫」入会。伊藤白潮に師事。
昭和60年、「鴫」同人。
平成11年、「鴫賞」受賞。
平成23年、「鴫」選者。
平成29年、「鴫」代表。
令和3年11月、「鴫」名誉代表。現在に至る。

俳人協会幹事

 【句集】
 『こなひだ』

 【20句抄】
 花どきや都心といふも山と谷
 嫂と花冷の卓拭き合へり
 息深くたたずむための春の水
 春の川海へほぐれてゆくところ
 湧水に男水女水や蕗の薹
 我よりもはるかに迅く草取る人
 天牛や愛されゐるは窮屈な
 ハンカチの一義は涙ぬぐふこと
 蜜豆や気の合ふことのわけ知らず
 影からめとりたる日傘坂上る

 劇が始まりさうな九月の駅の椅子
 長月の水流すとき遺句よぎる
 ハーモニカ下手なりし父木の実落つ
 眼を射らぬ照りに徹して月の舟
 銀漢や死者は生者にのみ生きて
 十二月机の下の薄闇も
 ポケットの多いコートと雑な地図
 川波の仔細は見えず冬夕焼
 もう乗らぬ自転車に干す唐辛子
 半世紀前はこなひだ秋扇

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加藤峰子のプロフィール
峰子の写真
加藤峰子

鼓動
「鼓動」
昭和23年、千葉県匝瑳市に生る。
平成 9年、「千葉県庁谺俳句会」創設参加。
平成10年、「鴫」入会。伊藤白潮に師事。
平成12年、「鴫」同人。
平成17年、「鴫賞」受賞。
令和3年 2月、「鴫」選者。
令和3年11月、「鴫」代表。現在に至る。

千葉県俳句作家協会事務局長

 【句集】
 『ジェンダー論』『鼓動』

 【20句抄】
 大地から喃語のやうに福寿草
 辛夷咲く明日へと続く空の色
 きらきらと骨組みの無き薄氷
 青田波全身風になり帰庁
 青麦のカーテンコールめく起立
 人想ふ速度に梨花の畑となる
 花時のグラスを高く退職す
 向き変へてフルート奏者は薔薇の蔭
 泰山木の花の中なる師恩かな
 地底にも激流の滝龍泉洞

 胃カメラをこいつと呼びて汗の医師
 太陽のざらつく駅舎青葉風
 蓮ひらく渾身といふ微熱もち
 仰向けに寝て万緑の点となる
 月光や働く靴は夜古ぶ
 敬老日母を抱きしめ又来るね
 白息や母見舞ふ日は肌着持ち
 百畳に豊年の風吹き抜ける
 墓碑と吾に爽やかな風おなじ風
 今日からは初冬の海といふ鼓動

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