鴫

鴫誌(令和5年12月号)より

代表近詠 名誉代表近詠 当月集より 寒麦集より 羽音抄

月うるむ
加藤峰子
出来秋の享保とある水神碑
露草を抜かず養ふ垣の瑠璃
ちちろ鳴く昼を灯して金物屋
闇動く二百十日の猫の鈴
蟷螂の複眼脂ぎつてをり
鬼の子の人恋ふ時の揺れ激し
月うるむ夢二葉書のをとこ文字
石投げて澄む水起す二人かな
秋澄むや文字の小さな座右の書
半世紀使ふ表札銀河濃し


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