鴫

鴫誌(令和6年10月号)より

代表近詠 名誉代表近詠 当月集より 寒麦集より 羽音抄

加藤峰子 選

老鶯の声のうはずる谷深し
成田美代
四人掛けの卓に一人のひと夜酒
箕輪カオル
形代の肩いからせて流れ去る
奥井あき
紫陽花やのら猫たちの入会地
足立良雄
川上る姿に焼かれ串の鮎
和田紀夫
しんがりの蟻は重責列守る
渥美一志
万緑を横にながすや電車旅
尾川美保子
川岸に涌くほうたるに噎せにけり
西村とうじ
驟雨来る底まで刺さるパフェの匙
野口和子
雲の峰海を産湯に育ちけり
西村将昭
星まつり達筆の短冊に誤字
山本とう子
かなかなを遠くに仕事仕舞ひとす
森しげる
ホームラン真夏の太陽まで届け
宮川智子
角度五十厨のドアの扇風機
別人簔虫
腕組んで考へる顔三尺寝
本田しずる



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