代表近詠
火の球
加藤峰子
新涼や蔵カフェ梁の手斧痕
火の球に秋思吹き込みガラス瓶
萩揺るる鈴虫寺のまづ法話
月光のほどよき湿り色紙書く
男手のもてなし膳や秋彼岸
敬老日唄とゲームの洩れきたる
罌粟蒔けり粗くと言ふも即吹かれ
秋旱どんと大樹の力瘤
秋彼岸村道の木々逞しや
さて寝ようか労ふやうに虫時雨
名誉代表近詠
蛍草
橋道子
十五キロ古着を処分雁渡し
将棋欄夫に読み上ぐ秋高し
烏瓜せんせいの恋知りたる日
歳時記の午次郎句の栗茹でん
角笛のやうなオクラを椀種に
夜雨来て金木犀の香を濡らす
晩歳の十年は重し蛍草
当月集より
寒麦集より
羽音抄