代表近詠
吐く炎
加藤峰子
夏空焦がすコンビナートの吐く炎
酒に噎せ象鼻杯てふ蓮まつり
暮れ方はゆらぎの強き月見草
車椅子のあまたを譲り菖蒲園
黒めだか謀反のごとく急反転
あぢさゐや児は宿題の逆上がり
駅までを歩くと決めむ青嵐
長持のまぶしき家紋梅雨の蔵
使者の間の雪隠覗くこゑ涼し
白シャツや直訴するやう引継ぎす
名誉代表近詠
青
橋道子
白南風を呼ぶや朝日の洗ふ家
青深く小山を包む夏木立
金魚たちに着地といふはなかりけり
ワンピースに草履が母の夏なりし
夏あざみ言つてはならぬことを言ひ
いかづちや百歳嫗の桐?笥
ぶつかつて朝の蟷螂青く飛ぶ
当月集より
寒麦集より
羽音抄