代表近詠
ソーラーパネル
加藤峰子
花の里ソーラーパネルの幾何の波
ゆさゆさと巨樹まつさらな春の空
コーラス会告ぐ春昼の掲示板
屈葬の人骨の色花は葉に
穀雨かな土偶の耳の飾穴
貝塚の貝の重層きぎす鳴く
花種まく仕上げに薄く篩ひ土
稽古着のいきいき乾く春日中
ごみ箱から拾ふ消去の春の恋
遠く近く音叉のやうに蛙鳴く
名誉代表近詠
ちまき解く
橋道子
唐草の風呂敷干され山桜
自信無きときの瞬き花曇
春の夜の紙を?みたるプリンター
思ひきり軽き水筒五月来ぬ
張りたての田水さゆるぐ一番星
薔薇垣や猫をさはりに来る姉妹
神よりも運に納得ちまき解く
当月集より
寒麦集より
羽音抄