令和3年2月号より
代表近詠
冬菊
橋道子
悼 井上信子様
大輪の冬菊にかの笑みよぎる
また来ますと別れしままや枯木立
静寂とふ音あり秋の野の真昼
星月夜いつぽん残る心張棒
夜に乗じ木犀の香を嗅ぎまはる
めんだうな男の矜持いぼむしり
ひややかに創を映して夜の鏡
あれ毀れこれ毀しして冬支度
山茶花散る横死の守宮はうむれば
冬夕焼マチスの赤と競ふかに
当月集より
寒麦集より
羽音抄
旧字体等で表記できない文字は書き換えています
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