Shigi-haikukai
TOP
鴫のあゆみ
鴫誌より
句会案内
バックナンバー(鴫誌より)
鴫誌より(最新号)へ
バックナンバー(一覧)へ
平成28年8月号より
代表近詠
草茂る
井上信子
今年また螢見の人見送りぬ
足弱くなりて太宰の忌を迎ふ
草茂る遅筆を人の故にして
見舞状なれば窓辺にさくらんぼ
やや昔汽笛流れし青葉雨
擬宝珠の花茎の数愼しみぬ
草茂る空かぬ扉と空けぬ戸と
▲このページの先頭へ
選者近詠
知覧新茶
橋道子
メドゥーサの髪解くやうに根分せり
浅蜊めし米屋畳屋向かひあふ
青鷺の水面うかがふ首の丈
子燕に口の大小すでにあり
寄せものに沈めて赤きさくらんぼ
先読むを今も苦手に金葎
叔父を恋ふ知覧新茶をふふむとき
▲このページの先頭へ
当月集より
垣溢れ出るあじさいの幼き彩
中江月鈴子
黒服にはじまる五月雲あらず
山ア靖子
人を呑むやうな色なるアマリリス
荒井和昭
青饅や明日のために睡るなり
風間史子
当然のやうに巣燕糞落す
田村園子
鉄橋を潜る林道夏立てり
田令子
あらせいとう遺跡ガイドは元上司
加藤峰子
山藤や腰引け渡るかづら橋
相良牧人
はつたいに噎せて口惜し誕生日
荒木 甫
五月鯉折り目に風をはらみけり
石田きよし
噴水や影の寄り添ふ乳母車
成田美代
鼓唄磴の上より花の門
山口ひろよ
俯瞰する雨の植田を病む夫と
中山皓雪
ゆりの木の花を咲かせて資料館
箕輪カオル
拗ね者のごと筍の曲がりやう
平野みち代
一つくらい合同あらむしやぼん玉
甕 秀麿
聖五月紙で切りたる薬指
田原陽子
まつ白な雑布刺しぬ昭和の日
数長藤代
横綱のまだ決まらない兜虫
佐藤山人
火の國の大地を新樹支へをり
原田達夫
登りきて薫風に身を任せたり
笠井敦子
朽ち舟を貫きにけり黄の菖蒲
山本無蓋
山帽子二百四十分待ちの文字
田部井幸枝
鷺草の窓辺に置かれ無人駅
齋藤厚子
▲このページの先頭へ
寒麦集より
武士道を武者人形に説きにけり
濱上こういち
朝涼や貨物列車に競走馬
宮ア根
花過ぎの納屋に軍手の干されあり
柴田歌子
父と子の同じ向きなり鯉幟
三木千代
慇懃にさるる検問若葉冷え
坂場章子
利根川を縁取りてゐし柳かな
森田尚宏
鶯のまつすぐに鳴く我に鳴く
宇都宮敦子
宇宙人の利権争ひはたた神
木澤惠司
マヌカンのうなじ伸びやか五月来る
藤沢秀永
麦秋の開くに重き大辞典
田中涼平
▲このページの先頭へ
羽音抄
とほしろき沖のいろ持つ浜豌豆
江澤弘子
山藤の一山の鬱吐くごとく
甕 秀麿
風音を波音と聴く夕端居
中山皓雪
田水引く水音を空に溢しては
山本久江
兵刃を帯ぶごと海女の腰のもの
山□ひろよ
介護士に見守られつつ菖蒲の湯
山本無蓋
呼び合へりをみな等の名を薔薇の名を
荒木 甫
瓜実と成りし円顔ソーダ水
藤沢秀永
母の日の延長線上ゆでたまご
齋藤厚子
ギヤマンに嫌嫌ひらく水中花
青木ちづる
内弟子のやうに離れぬ今朝の蠅
濱上こういち
焼栄螺今生の水放ちけり
三木千代
手に天道虫ガリバーの心地して
村上禮三
太縞の夏シャツ買ふをためらはず
鎌田光恵
藤棚に夕日入り込む隙間かな
伍島 繁
誰よりも風を友とす揚羽蝶
大島節子
イヤホンを分け合うてをりサクランボ
堀岡せつこ
新緑や善意はもっと淡き色
橋信一
剪定の向かうに深き三次元
田中裕一
板に乗せおからは無料柿若葉
小宮智子
鴫誌より(最新号)へ
バックナンバー(一覧)へ
▲このページの先頭へ
旧字体等で表記できない文字は書き換えています
Copyright(c)2011, 鴫俳句会.All rights reserved