Shigi-haikukai
TOP
鴫のあゆみ
鴫誌より
句会案内
バックナンバー(鴫誌より)
鴫誌より(最新号)へ
バックナンバー(一覧)へ
平成24年3月号より
代表近詠
松納
井上信子
花八ツ手佛間一と間をかくしたる
その椅子に夫が揺れをり冬苺
ふたたびは無し雑炊を吹き合ふは
夕暮を待つや一人の松納
まだ匂ひある輪飾りを下ろすなり
初旅の夕空泌みるばかりにて
冬蝶のまさか港のレンガ街
越年の音のさまざま港町
ナフキンに太箸寝かすとき静か
利き腕のまだ利く年を送りつつ
▲このページの先頭へ
当月集より
荒れし昨夜も夢のやうなる樹氷光
中江月鈴子
水仙の蕾に迷ひなかりけり
山ア靖子
折れ折れて枯蓮は剛通しをり
橋道子
山茶花の下はさざんかばかりかな
中村恭子
したしげに柚の寄りくる柚湯かな
荒井和昭
夕かげりして忖度の膝毛布
風間史子
落葉踏む落葉と紛ふ靴の色
田村園子
ざわざわと来て冬座敷覗きけり
小林正史
冬晴や河岸段丘遠くあり
田令子
雨しとど「希望」といふ名の冬薔薇
加藤峰子
ぶつ切りの大根静かに煮え上がる
前川明子
眠る山寝息聞こゆるところまで
相良牧人
石蕗黄なり正座するかに古屋敷
荒木 甫
ロボットのやうな眼の街師走
石田きよし
水仙の蕾の中に希望あり
田原陽子
冬麗の七階の景見せたしよ
数長藤代
蓮の骨析れて重なる吾が影も
中山皓雪
しぐるるや舟形も無くすみだ川
折橋綾子
一葉忌むらさき帯ぶる日のひかり
椿 和枝
自然薯の無疵横たへ覇者たりし
佐藤山人
鴨寄り来金の目なほも尖らせて
原田達夫
名園の安堵の色に蓮の骨
笠井敦子
悴みてロザリオを売る漢かな
山本無蓋
▲このページの先頭へ
寒麦集より
鰤起し朝市手話となりにけり
甕 秀麿
馬のりに越ゆる倒木冬日漏れ
成田美代
冬日浴ぶ夫の髭剃り一時間
中下澄江
三姉妹よく食べ笑ひ返り花
松澤美惠子
唇を噛んで竹馬出陣す
平野みち代
白鳥のみな踏ん張りて着水す
和田紀夫
口笛のやうに鳴きけり都鳥
箕輪カオル
煤逃げを観音様に告白す
濱上こういち
飴色の土鍋一つの冬籠
宇都宮敦子
ヒッチコックめき冬の雁来るぞ来るぞ
村 卯
▲このページの先頭へ
羽音抄
山眠る桶屋は戸口開け放ち
青木ちづる
小気味よくとぢる蝦蟇口十二月
箕輪カオル
午後の日を積む白菜の尻を積み
成田美代
助手席にサンタを乗せてゆくところ
田令子
乾鮭のかほひしひしと鳴りにけり
遠山みち子
日向ぼこ入会金はお日様に
中山皓雪
灯点してダンス教室煤払ふ
平野みち代
前世に色忘れ来し花八つ手
荒木 甫
干し柿の狭間に傾ぐ裏筑波
原田達夫
ポインセチア心なきこと敢へて言ふ
山本無蓋
冬麗の上野の森にマハのゐて
藤沢秀永
障子閉め心の扉ひらきけり
藤兼静子
ぺットボトル挿して畑の冬囲ひ
山本久江
大嚏己鞭打つごとくにも
中島芳郎
燈台の照らす限りの冬の雨
宇都宮敦子
瞑目し大災害の年逝かす
笠井敦子
晩秋の寝釈迦の雲の動きけり
青山正生
焼売を小走りに買ふ冬小旅
田中涼平
重なりてすき間ありけり蓮の骨
大場ましら
文化の日ごとりごとりとパン焼ける
奥井あき
鴫誌より(最新号)へ
バックナンバー(一覧)へ
▲このページの先頭へ
旧字体等で表記できない文字は書き換えています
Copyright(c)2011, 鴫俳句会.All rights reserved