代表近詠
生きる力
加藤峰子
壇上へ手を貸す受賞秋うらら
めりはりの祝賀スピーチ秋日和
拾はるる若さ残して栗落つる
手を上げて合図小春の測量士
秋草や幌深くしてベビーカー
反射板腕に冬夜のペダル漕ぐ
画用紙の巻き癖に置く富有柿
生姜湯や眠りてすべて過去とせむ
日の優し独り仕切りの障子貼る
寂しさも生きる力よ返り花
名誉代表近詠
説得
橋道子
踏みしめて明日立冬の土しぶる
裸木の哲学めける拗りやう
小春日を同乗しけり救急車
説得のための面会冬青草
扉を開けりやクリスマスソングとチーズの香
ロボットのせつせと運ぶ茸料理
冬銀河かの世無限に人を容る
当月集より
寒麦集より
羽音抄