平成30年3月号より
代表近詠
睫毛
橋道子
鬼柚子の黄のみづみづと顰め面
煮こぼして抜く鬼柚子の味の角
みどりごの欠伸しやつくり毛糸帽
生れたては睫毛を持たず室の花
葱畑をしばし横目に持久走
兄夫婦もう居ぬ街の水仙花
鍋蓋の抓みのゆるみ日短か
まだ残る未来へ青き日記買ふ
山のなき町の小山も眠りけり
悼 中江月鈴子さん
星凍つや字余りに満つ鉄の意志
当月集より
寒麦集より
羽音抄
旧字体等で表記できない文字は書き換えています
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