平成28年2月号より
代表近詠
寒晴
井上信子
寒晴や墓拭きにゆく二人して
冬の日をたつぷりに石閉づるなり
鵙寒し何も咲かない木が好きで
一日を冬日こもりに父の鵙
霜焼けを包みてやりしこと遥か
アノラックそれは誰かの脱け殼で
初東風の匂ひを誰に告げやらむ
選者近詠
因州箋
橋道子
声まろむ釣瓶落しを連れだてば
腰強き因州箋や火の恋し
吊橋の時雨心地となりにけり
家族歴さかのぼる旅冬菫
はるかなる時を縮めておでん鍋
アンデルセン公園二句
名にし負ぶメルヘンの園銀杏散る
しぐるるや木靴木の匙木のシャベル
当月集より
寒麦集より
羽音抄
旧字体等で表記できない文字は書き換えています
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