代表近詠
飛ぶやうに
加藤峰子
待ちわびて切り子光りの初日の出
色めける根方の土や冬木の芽
初夢の逢引なりし夫の声
薄氷を透かし自適の錦鯉
しーと指立て笹鳴に会ふ真昼
魔除け札に声かけ出づる女正月
健脚のつもりの膝よ春の土手
はるばると来し会場や春の雪
余寒なほ昼酒耳を指を染め
鋤焼や飛ぶやうに肉足されけり
名誉代表近詠
午後の日
橋道子
寝室を階下(した)に移せり枯木星
にゆうめんに鯛のひとひら女正月
冬すみれ夫の帰心のただならず
床中のミトンの夫に寒明けぬ
結局は電力頼み春の雪
白じろと是は待春の満月ぞ
午後の日やみんな遠くてあたたかし
当月集より
寒麦集より
羽音抄